Friday, May 30, 2014

映画タイトルデザインの奥深さ

WordやExcelで書類を作るときに
「フォント」ってどこまで意識されますか???
基本はゴシックで。
ちょっとかしこまった文書なら明朝体で
でも 普通に 日本語対象のゴシック体でも 
その種類は20~30種類ありますよね。
これが アルファベットだけで良いとなると
頭がクラクラするほどの種類がソフトに搭載されています。

プレゼンテーションシートを作るときは 
 「すっきり軽く見せたいのか?」
 「ぶ厚め インパクト系で見せたいのか?」
などで こだわってセレクトする私ですが
結局 3~4種類のお気に入り定番を使いまわす感じです。

私が大学で建築の勉強をスタートした時
たしか 最初の課題は「レタリング」でした。
その折りは 新たな文字フォントをデザインするのではなく
好きな定番フォントを ルール通りにトレースする内容でした。
文字デザインって楽しそう~ その程度だった当時の私ですが
グラフィックデザイナーさん達と知り合って
その文字フォントへのこだわりの強さを思い知りました。
そりゃ プロフェッショナルですからね。
私が 特別講師をつとめるデザインカレッジには
グラフィックデザイン専攻科がありますが
「タイポグラフィ」の世界は奥深く 
作品によっては 鮮烈な魅力を放ちます。
ただ文字があるだけ。
でも 惚れ惚れするというか。ロマンを感じるんです。

そんな 文字のエネルギーを感じる展示が
京橋にある 東京国立近代美術館の一つ
「フィルムセンター」にて催されています。
ここは 映画フィルムを国民の文化財として
収集+保存+復元+公開 している機関です。

赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界
ギャラリー内で 唯一 撮影可能な展示物。
赤松氏の作品が 「表札」 のようにずらっと並びます。

赤松氏は 映画の題字タイトルのデザイナーさんです。
「陽構造(ひこぞう)」って本名なのでしょうか?カッコ良すぎますね。
お父さんがもともと タイトルデザイナーで
その跡を継がれたと プロフィールにあります。

その作品が 企画展示室に並びます。
そのバラエティ豊かな文字の世界を楽しみつつ
「日本語」ってスゴイな~って思えます。
  <活字 ~ 手描き> の違いだけでなく
  <縦書き ~ 横書き>
  <漢字 ~ ひらがな ~ カタカナ ~アルファベット>
多様な文字達が 実に自由に泳いでます。

タイトルデザイナーの仕事には 劇中の説明用テロップや
オープニングやエンディングのクレジットも含まれるとか。
さらに。 文字の本体デザインだけでなく
「どのタイミングで 何秒間 スクリーンに写し出すか」
までプランニングするそうです。。。。
ズラリと出演者やスタッフ名を並べるエンドロールなんかも
「どれくらいの文字サイズで」
「どれくらいのスピードで流していくか」 
までデザインするらしいです。
まさに映画における 「文字」すべてが 仕事の領域。

展示では 北野武監督作品の一部の映像を
解説と共に実際に見れたりして 
けっこう 長居して堪能できます。

これからは リスペクトと共に
映画のエンドロールも最後まで見ないとなあ。

東京国立近代美術館「フィルムセンター」
赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界
      開催中 ~8月10日まで
         ⇒ 展示案内はこちら



by 丸岡満美



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